お正月、江島神社をお参りした帰りに 江の島水族館に行って参りました。
江の島水族館の見どころは、 何といってもクラゲファンタジーホール! 世界有数のクラゲ展示を誇っています。
美しいですね。。 その姿の美しさもさることながら、注目すべきは その生態の不思議です。
私たち人間が「繁殖」からイメージするものと言えば、 「オスとメス」「卵と精子」というような有性生殖ですよね。
桃井かおり風に言うと、 「所詮世の中、オトコとオンナしかいないのよぅ。」 って感じでしょうか。古ぅ!
ですが、ミズクラゲの繁殖はそんな常識をくつがえします。
ミズクラゲのメスは、オスが水中に出した精子を体に取り込み、 体内で卵を受精させる有性生殖を行います。 有性生殖ですから、それぞれ違った遺伝子を持った卵、 という事になります。 卵はプラヌラ幼生となって広い海に泳ぎ出ます。
プラヌラ幼生はやがて岩などにくっついてイソギンチャクのような 形になります。 これをポリプといいます。
岩に付いたポリプは自分の分身をつくってどんどんと増えていきます。 つまり無性生殖(クローン)によって繁殖を繰り返すわけです。
ですが水温など環境の変化によってポリプはストロビラ幼生へと 姿を変え、からだに節(切り目)を作りそこから分裂をはじめます。 それがエフィラ幼生です。
分裂したエフィラ幼生は又ひとりで海に泳ぎ出し、成長して メテフィラ幼生になりやがてクラゲになります。 同じポリプから生まれたクラゲは全て同じ遺伝子を持つクローン クラゲという事になります。
そして出会ったクラゲ同士は、また有性生殖をし有性卵を作ります。
このようにミズクラゲは無性繁殖と有性繁殖を繰り返しているのです。 世代を代えて2通りの繁殖をするメリットは、 無性繁殖 → 効率の良さ、 有性繁殖 → 遺伝子の強さ、とされています。
同じ遺伝子ばかりでは環境の変化で全て絶えてしまう恐れがある、 故にミズクラゲはこのような生殖を繰り返す、 そうですが、その真意はナゾに包まれています。
ミズクラゲをはじめ、 このような面倒な生き方を選んだ生物の背景には、 厳しい自然環境や気が遠くなるような長い時間を感じます。 小さな生き物の中にある宇宙です。 それに比べれば哺乳類なんてシンプルでつまらないですね。
江の島水族館 http://www.enosui.com/ 実際に生き物に触れるタッチプールのスタッフさんはとても 親切にいろんな質問に答えてくださり、その知識の深さに 驚かされます! クラゲのことも詳しく教えてくださいました。
水族館でどうぞ神秘の世界を体験なさってください。
m,nami