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月刊小野寺工務店【Monthly Onodera】

「K様邸で撮った水族館の中のようなムーディな写真」と「自走式高所作業車を操縦してみたい!」の巻/2024年8月号

Date:2024年8月31日 |

三鷹パッシブハウスも、野地板あらわしなど複雑な工事が連続する調布市K様邸も、大工と職人さんと現場監督の頑張りで滞りなく工事が進んでいます。調布飛行場の大型車庫も順調にできあがってきました。またその工事に使われ、職人さんも感動した安心・便利な自走式高所作業車のお話もお届けします。

目次
1.三鷹市・S様邸(三鷹パッシブハウス(予定))
2.調布市・K様邸(スキップフロアと大きな土間のある家)
3.調布市・石野礦油様(航空機給油車用大型車庫)

 

◎三鷹市・S様邸(三鷹パッシブハウス(予定)

先月、付加断熱(外断熱)工事の様子を紹介したS様邸。今月はその続きからレポートを始めたいと思います。

建物の外壁全体に貼ったEPSボード(断熱材)の上から、保護塗料のベースコートを塗り込んでいきます。ベースコートが乾いたら、付加断熱工事完了です。


 

上の写真と同じような写真ですが、こちらはベースコートの上から、外壁用仕上げ材のガルデを一度塗りした状態です。ガルデは天然の大理石を主成分とした塗り壁材で、汚れに強く、長持ちするので小野寺工務店ではよく使用しています(オススメです)。


 

ガルデの二度塗り目が始まりました。下の写真の左側が二度塗りを終えた壁です。少しザラザラした手触りの壁にしたい、というのがS様のご希望でしたので、ガルデに粗めの骨材を混ぜて、木鏝(きごて)仕上げにしています。


 

ガルデの二度塗りが終わりました、すなわち外壁工事の完了です。下の写真は玄関横の壁。白やグレーのガルデを選ぶお客様が多い中、S様は枯草色(現場ではカボチャ色と呼んでいました)のガルデを選ばれました。すごくステキな色だと思いませんか?


 

家の中はどんな具合かと言いますと、石膏ボードの施工が一通り終わり、これからクロス工事と左官工事を始めるところです。下の写真のように、石膏ボードにチョークで指示書きをして、間違いのないようにするのが小野寺工務店流です(作業もはかどるので一石二鳥です)。


 

クロス工事が始まりました。天井から貼っていきます。ちなみにS様邸の内装は、天井が白の紙製クロス(エコフリース)で、壁の大部分がシラス壁(薩摩中霧島壁)になります。


 

ピアノを置く部屋の天井には、吸音ボードを施工しておきます。パッシブハウスのような、超の付く高気密高断熱の家の場合、車や雨音など屋外の音はほとんど入ってこないかわりに、家の中で発生した音は逃げ場がなく反響してしまうからです。


 

最後にレンジフードのお話を少し。

S様邸のレンジフードは循環式レンジフードという一般的なレンジフードとはまったく異なった仕組みのレンジフードを採用しています。一般的なレンジフードは、キッチンの汚れた空気を屋外に排出しますが、循環式レンジフードは汚れた空気を外に出さず、4段階のフィルターでキレイな空気にして、ふたたび室内に戻します。換気扇からの熱損失も失くしてしまおう、というパッシブハウスならではの仕掛けです。

特殊なレンジフードなので、メーカー(富士工業)の社員さんが現場に来て設置作業を行います。なかなかゴツイ体格の男性の社員さんだったのですが、なにかメモ書きをしているなと思って近付いてみたら、下の写真のメモを書いていました。見た目によらずかわいらしい文字で、思わずギャップ萌えしてしまいました(メモの内容は、後日、電気配線を行う電気工事の職人さん向けの注意書きです)。


 

 

◎調布市・K様邸(スキップフロアと大きな土間のある家)

前回上棟の様子を紹介したK様邸。家づくりは順調に進んでいます。

下の写真の3人は、右側がK様の奥様で、中央がご主人で、左側がK様のご友人であり、この家の構造設計をお願いした構造設計士の方です。上棟後の家の様子を見に来られた際のひとコマなのですが、雨養生のブルーシートの影響で、水族館の中のようなちょっと幻想的な雰囲気だったので、思わず写真を撮ってしまいました。ちなみにこの写真だと天井の野地板あらわしの形状が良くわかると思います。天井板を貼らずに、このままの仕上げになります。


 

下の写真は、現場に搬入されてきた屋根用断熱材のフェノバボードです。S様邸では90ミリ厚のものを使います。これからこのフェノバボードを屋根の上に貼っていきます。


 

フェノバボードを貼る前の屋根の様子です。さきほどの水族館のような写真の裏側というか、屋外側です。野地板の合わせ目に貼っている白いテープは気密テープです。


 

野地板の上にフェノバボードを敷き詰めていきます。紺色のシート(黄色の矢印)は、アスファルトルーフィングという屋根用の防水シートです。


 

フェノバボードを隙間なく敷き詰めました。


 

敷き詰めたフェノバボードの上に垂木を渡していきます。垂木の厚み分の空間が屋根の通気層になります。


 

垂木の上に2層目の野地板を貼っていきます。2層の野地板で断熱材を挟み込むサンドイッチ構造の屋根ができあがります。


 

2層目の野地板の上にも防水シートを貼り…


 

その上からガルバリウム鋼板の屋根材を葺いたら、屋根完成です!


 

屋根工事が終わった段階の家の中の様子です。窓が入り、家らしくなってきました。


 

 

◎調布市・石野礦油様(航空機給油車用大型車庫)

上棟が始まりました。重量鉄骨と軽量鉄骨を組み合わせて、建物の構造を組んでいきます。

15メートル以上の高さにクレーンのアームを上げてはいけないという調布飛行場のルールがあるので、慎重に低く低く、腰(アーム)をかがめるように作業を進めていきます。


 

下の写真は、鉄骨屋の職人さんが自走式高所作業車に乗って、鉄骨同士をボルトで止めているところです。この自走式高所作業車ですが、カゴの中の操縦盤で、カゴの昇降も、作業車本体の移動も自由自在。見ていて便利そうなのはもちろん、ものすご~く操縦してみたくなる機械です。


 

上棟完了です。


 

上棟からおおよそ1週間、壁ができあがり、車庫のカタチになってきました。


 

外壁材のガルバリウム鋼板を貼っていきます。


 

ガルバリウム鋼板を貼り終えました。完成まであと少しです。


 

[おまけの写真]
鉄骨部分に錆び止め塗料を塗る職人さん。鉄骨屋さんが使っていた自走式高所作業車があまりに便利そう、そして楽しそうだったので、一台レンタルして使ってみました。
使ってみた結果、梯子を使うのと比べてめちゃくちゃ楽だと職人さんも感動していました。住宅建築の現場でも使いたいと思うのですが、重さが600㎏もあるので、木造の現場では絶対に使えないのです。うーん、残念!


 

(続く)

 

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