「広い土間、見上げるような壁面書架、スキップ構造のLDK…またまた個性的な家づくりが始まります」と「パッシブハウス（予定）の基礎下断熱工事」の巻／2024年3月号
国分寺市S様邸も三鷹市S様邸も順調に工事が進んでいます。また調布市で新しくK様邸の家づくりが始まります。広い土間、大きな壁面書架、スキップ構造のLDKなど、アイデアフルで個性的な家づくりになりそうです。
目次
１．国分寺市・S様邸（やさしい日差しが入る北側採光の家）
２．三鷹市・S様邸（三鷹パッシブハウス（予定））
３．調布市・K様邸（スキップフロアと大きな土間のある家）
◎国分寺市・S様邸（やさしい日差しが入る北側採光の家）
前回、充填断熱（内断熱）工事および付加断熱（外断熱）工事の様子を紹介したS様邸。家づくりは着々と進んでいます。
下の写真は1階から2階に上がる階段スペース。壁下地となる石膏ボードの施工が終わり、まもなく壁紙工事が始まります。
2階からロフトに上がる階段もすっかりできあがっています。
S様邸の2階LDK。ピンクのテープが貼られているのは室内用のガラス建具。普通の壁を作らずにガラス建具を入れるというのはお施主様のアイデア。透明のガラス建具にすることで、写真左奥のキッチンスペースからリビング全体が見渡せるようになるのです（キッチンにいることの多い奥様のご希望です）。またキッチンから南側の窓へ視線が抜けるので、LDKの開放感が増すという効果もあります。
LDK南側のバルコニーではウッドデッキの施工が進んでいます。下の写真に写っている黒い円柱状のものはウッドデッキを支える支柱です。この支柱ですが、実はひとつひとつ高さが違います。
バルコニーの床面は水はけのために傾斜をつけているので、支柱の高さを同じにしてしまうとウッドデッキも斜めになってしまいます。そうならないよう支柱の高さをひとつひとつ調整していくのですが、S様邸のベランダは くびれのある複雑なL字型なので、この支柱の調整もなかなか大変なのです。
◎三鷹市・S様邸（三鷹パッシブハウス（予定）
パッシブハウスを目指すS様邸の家づくりがいよいよ始まりました。
下の写真は根切りを終えたS様邸の敷地。根切りというのは基礎を作るために地面を掘り下げること。床掘りと言う会社もあります。
掘り下げた地面の上に防湿シートを敷いたところ。小野寺工務店では基礎下断熱を採用しているということもあり、防蟻効果もある高性能な防湿シートを使うようにしています。
基礎下断熱の施工が始まりました。基礎下断熱というのは文字通り基礎の下に断熱材を敷き詰めることで、建物を基礎ごとすっぽり断熱材で包みこんでしまう工法のことです。一般的な床下断熱と違って、断熱材の途切れがないため、より高断熱な住まいが実現できます。
※床下断熱は格子状に組んだ土台の間に断熱材を入れるため、土台部分が断熱上の弱点になります。
地面の上に断熱材で作った大きな容れものができあがりました。このあと、この中に基礎を作っていきます。建物の基礎全体を断熱材で包む…基礎下断熱の構造がなんとなくイメージできますでしょうか。
最後に少しだけ細かい話をしておくと、S様邸はパッシブハウス仕様なので、底面も側面も厚さ100ミリの断熱材を使っています。パッシブハウス仕様でない小野寺工務店の標準仕様の場合、底面は50ミリ、側面は75ミリになります。それでも東京で暮らす家としては、十分すぎるぐらいの断熱性能を実現できていると思っています。
◎調布市・K様邸（スキップフロアと大きな土間のある家）
調布市で新しくK様邸の家づくりが始まります。ちなみに先日お引き渡しをしたM様（施工事例はこちら）はご夫妻ともに設計事務所で設計のお仕事をされていましたが、今回のK様もご夫妻ともに設計のお仕事をされています。
建物の大きさや用途は違えど、建築の仕事をされている方からご依頼をいただくのは、小野寺工務店の家づくりがプロからも信頼されている証のようでうれしいのですが、同時に少々緊張もします。なんというか父兄参観の日の小学生のような気持ちになります。
K様邸ですが、12帖の広い土間スペースがあり、大きな壁面書架があり、リビングには蔵があり、その蔵の上にキッチンとダイニングを配置するためLDK全体としてはスキップフロアのような構造になります。文章ではなかなかわかりずらいと思うのですが、なんとなく面白そうな家だなということは伝わりましたでしょうか。工事レポートは来月からお届けします。乞うご期待ください。
図面を立体化したK様邸の簡易模型（1）
図面を立体化したK様邸の簡易模型（2）
（続く）