「ビルトインガレージのあるK様邸の完成写真大公開!」と「三鷹市でパッシブハウス認定を目指す家づくりが始まりました!」の巻/2024年2月号
外壁もグレー、内装もグレー、トイレもグレー!グレーが大好きなK様邸が無事完成しました。ステキな完成写真をたくさん紹介しているので、ぜひご覧ください!
目次
1.調布市・K様邸(ビルトインガレージの家)
2.国分寺市・S様邸(やさしい日差しが入る北側採光の家)
3.三鷹市・S様邸(三鷹パッシブハウス(予定))
◎調布市・K様邸(ビルトインガレージの家)
ビルトインガレージのあるK様邸が無事完成しました。コの字型の擁壁を兼ねた建物基礎が必要だったり、内外の境界が曖昧なガレージハウス用に普段あまり使わない断熱材を使ったり、いろいろ大変な家づくりでしたが、完成したらすべてが報われる気がします。では早速、完成写真を紹介していきたいと思います。
まずはグレーの塗り壁がステキな外観から。ガルデという天然の大理石を主原料とした外壁塗料で仕上げています。
外観写真をもう一枚。見上げるような構図になっているのは、撮影時、外構工事がまだ終わっておらず、建物の前の地面が土だらけだったからです。
ビルトインガレージと玄関。
ビルトインガレージの中は、ご主人がDIYで塗装した後、棚を付けたりされる予定です。そのため石膏ボードむき出しの状態でのお引き渡しとなっています(棚取り付け用のボルトも天井に仕込んでいます)。
続いて玄関ホールです。アイアンのスケルトン階段を上がると2階リビングです。廊下の右側に大きな収納棚を造作しました。
反対側から撮影した玄関ホール。床はオークの無垢材、壁にはパールグレーのエコフリース(紙クロス)を貼っています。
階段の奥にあるトイレと洗面化粧台。最近は、ランドリールームとは別の場所に洗面化粧台を設置する、いわゆる独立洗面を採用する方が増えてきています。家族の誰かがお風呂に入っていても気兼ねなく洗面台を使えるので便利だと思います。
洗面化粧台の右側にランドリールームと浴室を配置しています。写真には写っていないですが、洗面台のあるスペースとランドリールームは引き戸で仕切っています。
ランドリールームのとなりに配置したファミリークローゼット。
ファミリークローゼットのそのまたとなり、玄関から一番奥まった場所に作った隠れ家のような部屋。静かに本を読んだり、音楽を聴いたり、仕事や勉強に集中したり。使いみちいろいろなお部屋です。
ここからは2階の写真です。まずはLDKの写真。勾配天井にはヘムロックの羽目板を縦貼りにしています。勾配天井に照明器具を付けず、間接照明と梁に付けたダウンライトだけで必要な明るさを確保しています。
外壁も内装もグレーで統一しているK様邸(ご夫妻ともにグレーが大好きなのです)。窓のある壁はパールグレーのエコフリース、キッチンの天井と背面の壁はノルディックグレーのエコフリースという具合に細かく壁紙を貼り分けています。
窓側から撮影したLDK。斜めに造作したキッチンの腰壁は、外壁用の頑丈な構造用合板で造作し、その上からモルタルを塗って仕上げています。モルタル仕上げはK様のアイデアですが、マットな質感がK様邸のインテリアにピッタリ合っていると思います。
キッチンの上はロフト、キッチンの奥にパントリーと冷蔵庫置き場とちょっとした家事カウンターがあります。
キッチン横の小部屋に設けた家事カウンター。
階段横に設けた本棚。中央の棚は取り外し可能で、取り外すとスタディカウンターとして利用できます(パソコン用にコンセントも余分に付けています)。写真左奥の部屋は主寝室です。
ベッドの頭側に間接照明を造り付けた主寝室。スマホ充電用のコンセントも使いやすい位置に付けました。主寝室のドアだけダークグリーンなのはK様のこだわりです。
主寝室からは道路向かいの雑木林がよく見えます。雑木林を借景して、ピクチャウインドウのように見せるのは家づくり当初からのアイデアです。
最後に2つあるトイレのうちの1つを紹介しておきます。トイレ本体の色は白を選ばれる方が圧倒的に多いのですが、グレー好きのK様はグレーのトイレを選ばれました。そして床も壁も天井もトイレの色に合わせることで、なんだか不思議な印象のトイレができあがりました(写真は明るく写っていますが、実際はもっとダークで落ち着いた印象です)。ステキなアイデアなので紹介しておきます。
以上、K様邸の完成写真でした。「施工事例集」ではこちらで紹介した写真以外にもたくさんの写真を紹介しています。ぜひご覧ください。
◎国分寺市・S様邸(やさしい日差しが入る北側採光の家
家づくりは順調に進み、断熱工事が始まっています。
小野寺工務店は、充填断熱(内側)+付加断熱(外側)という建物の内側と外側に断熱層を作る二重断熱構造を採用しています。そのため断熱工事も建物のウチとソト、それぞれで行います。
まずは建物の内側で行う充填断熱工事の様子から。下の写真をご覧ください。壁の内側に灰色の繊維状の物体がビッシリ隙間なく詰まっているのがわかりますでしょうか?これが充填断熱用の断熱材のセルロースファイバーです。断熱性能が高いのはもちろん、調湿性能や吸音性能にも優れているので、小野寺工務店では標準仕様の断熱材として採用しています。
吹き付ける際にわずかな水分と糊成分を混ぜることで、壁の内側にびったりと固着させています(ウォータースプレー工法といいます)。
続いて、建物の外で行われている付加断熱工事の様子を紹介します。
下の写真の白いボードが付加断熱用の断熱材のEPSボードです。南極の昭和基地にも使われている高性能な断熱材を、パズルのように建物の外面全体に貼っていきます。
下から上へ積み上げるように貼っていきます。赤字で「でんでん」と書かれているのは、この場所に雨樋の設置金具(形がおもちゃのでんでん太鼓に似ているため昔からでんでんと呼ばれています)を付けるので、後で下地材を入れておくようにという指示書きです。EPSボードは釘やネジの保持力がほとんどないので、換気口のガラリなど、外側からネジ止めを行う場所にはあらかじめ下地材を入れておく必要があります。なかなか手の掛かる断熱材です。
外壁全体にEPSボードを貼り終えました。EPSボードはベースコートという専用の接着剤でビッタリと貼り付けているので剥がれて落ちてくることはありません。
◎三鷹市・S様邸(三鷹パッシブハウス(予定))
昨年8月に完成した西東京市のT様邸に続いて、2棟目のパッシブハウス認定を目指す家づくりが始まりました。
パッシブハウスとは、ドイツのパッシブハウス研究所が提唱する超省エネ仕様の住宅のことで、ものすごく簡単に言うと、断熱性能と気密性能がきわめて高く、その上で太陽の日射を最大限に活用することで、冷暖房器具をほんのわずかに使うだけで一年中快適な暮らしができる家のことです。
ちなみにタイトルに(予定)とあるのは、パッシブハウスを建てる場合、設計段階と建物完成後に認定機関による審査があり、それをクリアしてようやくパッシブハウスとして認定されるからです。また、認定前にパッシブハウスを名乗ることはやめてくださいね、と認定機関から要請されているという理由もあります。
前置きが長くなりましたが、下の写真が、S様がパッシブハウス用にご用意された土地です。家づくりの様子は来月号からレポートします。乞うご期待ください。
(続く)