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月刊小野寺工務店【Monthly Onodera】

「シーリングファンのベストな位置は模型を使って調べる!」と「ガビオンの施工はかなりの重労働」の巻/2022年9月号

Date:2022年9月30日 |

杉並区で新しくK様邸の家づくりが始まりました。変形五角形の敷地に玄関、浴室、キッチン、リビングダイニングが2つずつある完全分離タイプの二世帯住宅を建てていきます。複雑なカタチの土地に目一杯の大きさの家を建てるので、家の形状も相当に複雑です。難易度の高い家づくりで、スタッフ一同ワクワクしています!

目次
1.調布市・NA様邸(ドーマーと土間のある注文住宅)
2.三鷹市・O様邸(ウッドデッキのある注文住宅)
3.杉並区・K様邸(変形地に建てる完全分離の二世帯住宅)

 

◎調布市・NA様邸(ドーマーと土間のある注文住宅)

前回完成写真を紹介した調布市のNA様邸ですが、お引き渡しのタイミングでは未完成だった外構が先日無事にできあがりました。なかなか大変な工事だったので、家づくりの後日譚的に少しだけ紹介したいと思います。

こちらが完成したNA様邸のエントランスです。意匠的なポイントが2つあり、ひとつ目は扇型の玄関ポーチです。玄関を入った屋内側の土間も扇形になっていて、真上から見るときれいな半円型になっています(見ることはできないですが…)。
もうひとつは機能門柱の横のガビオンです。外構のアイデアとして取り入れる方が増えてきているガビオンですが、工事は思っていた以上に大変でした。


 

時間を少し巻き戻して、砕石を入れる前のガビオンです。枠組みとなるワイヤーメッシュですが、きちっと垂直に寸法通りに設置する必要があり、注意深く作業する必要がありました。このあと、ワイヤーメッシュの中に砕石を入れていきます。


 

大小さまざまな大きさの石の中から適当なサイズの石を選んで…


 

ひとつずつワイヤーメッシュの中に入れていきます。見ているだけで腰が痛くなりそうな作業です。


 

石をひとつずつ入れるのにはワケがあり、適当に入れていくと隙間から石の尖った部分が突き出てくるのです。下の写真は、ワイヤーメッシュの隙間から鉄の棒を使って石の角度を調整する職人さん。石を入れては、角度を調整するという、地道な作業が続きます。


 

地道な作業をこなすこと数時間、ようやくガビオンができあがりました。下の写真は、最後の最後、砕石についている砂をきれいに洗い流しているところです。


 

完成したガビオン。10年後、20年後、どんな具合に変化しているか、楽しみです。普段使わない筋肉を使ってへとへとになった職人の皆さま、本当にお疲れさまでした!


 

 

◎三鷹市・O様邸(ウッドデッキのある注文住宅)

前回、防蟻工事と外壁の気密防水工事の様子を紹介したO様邸。家づくりは順調に進んでいます。

下の写真は、断熱材のセルロースファイバーを壁に向かって勢いよく吹き付けている様子です。小野寺工務店では充填断熱(内断熱)用の断熱材としてアップルゲート社のセルロースファイバーを使用しています。このセルロースファイバーには、トウモロコシから生成された微量の糊(のり)成分が入っていて、吹き付ける際に水分を含ませることで、壁にビッタリと隙間なくくっついて、セルロースファイバーの弱点である経年沈下が起きない仕組みになっています(ウォータースプレー工法といいます)。


 

隙間なく充填されたセルロースファイバー。断熱性能はもちろん、調湿性と吸音・防音性にも優れていて、断熱工事が終わると現場の空気が少し変わります。なんというか、空気が少し澄んで、工事の音が響きにくくなります。


 

窓枠のわずかな隙間にもキッチリと断熱材を充填していきます。


 

屋根裏にセルロースファイバーを吹き込む職人さん。屋根裏の場合は、専用のシートを貼って、そのシートに穴をあけて、その穴からセルロースファイバーを吹き込んでいきます。


 

たっぷり入れたら、最後に穴を塞いで作業完了です。


 

断熱工事が終わると、大工工事・造作工事が一斉に始まります。階段もできあがりつつあります。


 

[おまけの写真]
吹き抜けの天井に吊り下げたシーリングファンの模型。お客様がシーリングファンをどのあたりに付けるか迷われていたので、それなら模型を作っていろんな場所に付けてみましょう、ということで作りました。(柱などを養生するカバーで作った緑色の物体がそうです。^^ )ガムテープでいろんな場所に吊り下げて、ここがベスト!という位置を見つけることができました。めでたしめでたしです。


 

 

◎杉並区・K様邸(変形地に建てる完全分離の二世帯住宅)

杉並区で新しくK様邸の家づくりが始まりました!変形五角形の土地に完全分離型の二世帯住宅を建てる予定です。

下の写真はK様邸の建築予定地です。北東の角地になります。


 

別角度から撮ったK様邸の敷地。空がきれいですね。


 

続いて地鎮祭の様子。神主さんをお招きして本格的な地鎮祭を行うこともありますが、今回はお供え物や鍬(くわ)やスコップなどを弊社でご用意させていただき、社内で祈願をし、誓いの言葉を述べる自家製手作り地鎮祭です。少々簡易な地鎮祭ではあるものの、大切なのは気持ち。土地の神様にはしっかりと願い(工事の安全とご家族の繁栄)は伝わったと思います。


 

地鎮祭が終わると、遣り方(やりかた)を組みます。下の写真の木枠が遣り方です。遣り方は建物の高さと壁の中心線の基準になるとても大切な構造物です。


 

遣り方を基準に、根切りを進めていきます。根切りというのは、基礎を作るために地面を掘り下げる工程のことです。下の写真の黄色い機械はトランシットという角度を測る道具です。変形五角形の敷地に角度をつけて建物を配置するので、この機械の出番となりました。建築の現場もハイテク機器のおかげで日々便利になっています。


 

(続く)

 

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