「壁掛けテレビをスッキリ収める!背面金具収納ボックス兼AVラックを造作中!」と「基礎断熱の工程を時系列で説明します!」の巻/2022年7月号
今月は、NA様邸で進む大工工事、外壁工事、壁紙工事と、O様邸の基礎工事から上棟までの様子をレポートしています。猛烈に暑い日々が続いていますが、小野寺工務店は暑さに負けず、より良い家づくりに邁進中です!
目次
1.調布市・NA様邸(ドーマーと土間のある注文住宅)
2.三鷹市・O様邸(ウッドデッキのある注文住宅)
◎調布市・NA様邸(ドーマーと土間のある注文住宅)
完成に向けて着実に工事の進むNA様邸。ご紹介したい内容が盛りだくさんなので、1)屋内の木工事編、2)外壁工事編、3)壁紙工事編の3章に分けてレポートしたいと思います。
1) 屋内の木工事編
大工が小上がりの和室の土台部分を作っています。複雑な形状になっているのは、段差部分に2つの引き出し収納と、ルンバの収納基地を作るためです。
玄関土間に設けた2つのアールの下がり壁。左側が家に上がる入口、奥が土間とサイクルラックの境界となる壁です。玄関の上がり框が曲線状なので、曲線に曲線を重ねたデザインということになります。建築士の遊び心ですが、どんな玄関ホールに仕上がるか、完成が楽しみです。ちなみに曲線状の壁は曲げベニアという強度を確保しつつ少し柔らかい材料を使って作っていきます。
キッチンの床にフロアリュームという人工リノリウム素材を敷く職人さん。専用の接着剤で貼り付けていきます。NA様邸のリビングの床材は無垢のレッドパイン材(パイン材は、現在の世界情勢下、もうほとんど入って来ません。)ですが、キッチンの床と洗面ルームの床はメンテナンスの観点からフロアリュームを採用しています。
きれいにフロアリュームが敷き終わりました。キッチンを入れてから施工する建築会社も多いですが、先に敷く方がきれいに仕上がります。
階段もできあがってきました。こちらは2階からロフトに上がるスケルトン階段です。右側の白いシートの中には断熱材のセルロースファイバーが詰まっています。階段の右側が主寝室なので、防音と遮音のためにセルロースファイバーを利用しています。
できあがりつつある階段をロフトから見下ろしたところ。
こちらは1階から2階に上がる階段です。こちらはスケルトン階段ではなく、蹴込み板のある階段ですが、絨毯を敷いて仕上げる予定です。最近は絨毯の復権というのでしょうか、ポイントポイントで絨毯を使うお客様が増えてきています。無垢の床材とはまた違った良さがあります。
造作洗面台の施工も進んでいます。洗面台部分は造作ですが、ミラーはお客様からの支給品です(IKEAで購入されたものです)。
下の写真は、土間とリビングの間に設けた壁掛けテレビ用の背面金具収納ボックス兼AVラックです。壁掛けテレビの背面金具を壁の中に収納することで、壁掛けテレビを壁にぴったりくっつくように設置することができます。両側からたくさん突き出ているオレンジの管は様々なケーブルを通すためのCD管です。この後、これらすべての管と電線を真ん中の幅10センチほどの構造材の裏側に収めていきます。アイデアを思いつくのは簡単ですが、実現するのはなかなか大変です。ちなみにこの開口部はAV機器用のラックも兼ねていて、配線は土間側の扉を開けて行うようになります。
NA様邸の大きな玄関土間です。写真右側の開口部に、上の写真で紹介した背面金具収納ボックス兼AVラックが設置されています。大きな土間はNA様邸の特徴の1つで、奥様がDIYを楽しむためのスペースです。奥様は家具を作ったりされる、かなり本格的なDIYレディです。(土間はこの後、配筋を組んでコンクリートを打ちます)
2) 外壁工事編
ここまで屋内工事の様子を紹介してきましたが、家の外はどんな具合かといいますと、こちらも着々と工事が進んでいます。以下、時系列で紹介していきます。
EPSボード(外断熱用の断熱材)を貼り終えた状態のNA様邸。セルロースファイバーを壁内にびっしりと充填するのに加え、EPSボードで家全体をすっぽり包み込むのが小野寺工務店の断熱工法です(内外ダブル断熱といったりする建築会社もあります)。
EPSボードの施工が終わると、その上からベースコートという接着剤(塗装下地)を塗り込んでいきます。下の写真の濃い灰色の部分が、ベースコートを塗ったところです。
ベースコートの塗装が終わりました。この後、ガルデという大理石を主成分にした天然素材の塗り壁材で外壁を仕上げていきます。
ガルデによる外壁の左官作業が始まりました。ガルデは二度塗りで仕上げますが、下の写真は一度目の塗りを終えた状態です。
ガルデの二度塗りが終わりました。足場の解体が始まり、白い壁と黒い屋根のコントラストが目に鮮やかなNA様邸が姿を現しました。
もう一枚、別の角度から撮った外観写真です。この角度だと、ドーマーがよく見えます。夏空が似合うNA様邸です(おそらく秋空も冬空も似合うと思います)。
3) 壁紙工事編
最後に壁紙工事の様子を紹介します。1)の屋内の木工事編から約2週間後のNA様邸の様子です。
パテ処理が進むLDK。パテ処理とは、壁紙を貼る前に石膏ボードの継ぎ目やビスを打った凹みをパテで均していく作業のことです。NA様邸で使用する壁の仕上げはエコフリースとフェザーフィールです。エコフリースは純粋な紙製クロス。フェザーフィールはコバウという紙製クロスの上から塗料を塗って仕上げるハイブリットな内装材です。ビニールクロスと比べて紙製クロスは薄いので、丁寧かつ念入りにパテ処理を行う必要があります。
壁紙の施工が始まりました。玄関土間はフェザーフィールで仕上げます。といっても仕上げの塗装は奥様がご自分でDIYされる予定なので、コバウ(下地用の紙クロス)を貼るところまでが小野寺工務店の役割です。
吹き抜けのあるLDKもコバウ仕上げです。
主寝室の壁には紺色のエコフリースを貼っています。(正確にはエコフリースではなく、レミリアという商品名です。もともとエコフリースには淡い色のラインナップしかなかったのですが、一昨年末に濃色系のラインナップがレミリアという商品名で発表されました。同じメーカーなのに、ややこしいですね)。
洗面台側面の壁にも紺色のエコフリース。
ウォークインクローゼットにはスモーキーグリーンという色のエコフリースを選ばれました。この色もすごくステキです。
◎三鷹市・O様邸(ウッドデッキのある注文住宅)
前回、地鎮祭の様子を紹介したO様邸。今月号では、基礎完成から上棟までの様子を一気呵成に紹介していきたいと思います(時系列になっています)。
根切りした(掘り下げた)敷地に砕石を入れて、プレートコンパクターという機械で転圧していきます。この工程は日本全国どの建築会社も同じように行っています。
転圧した敷地の上に防湿シートを敷いて、さらに捨てコンクリートを打った状態。防湿シートは地面の湿気から基礎を守るためのもの。捨てコンクリートは型枠を設置しやすくするための地ならしのような工程です。このあたりの作業もほとんどの建築会社で共通だと思います。
次に地面の上に基礎用断熱材のパフォームガードを敷き詰めていきます。さらに基礎外周の型枠の内側にもパフォームガードを隙間なく並べていきます。この作業は、基礎断熱(基礎下断熱)を採用している小野寺工務店ならではの工程です。基礎断熱を採用している建築会社は最近徐々に増えてきているとはいえ、まだまだ少数派です。
パフォームガードの内側に鉄筋を組んでいきます。(これを配筋といいます)
配筋工事、完了!写真の真ん中あたり、基礎の配筋が密になっている部分がありますが、これは地中梁です。耐震等級3を取得するために必要な構造体です。
コンクリートの打設が始まりました。一人がコンクリートを流し入れる役割、もうひとりが撹拌機でかきまぜる役割、二人一組で進めていきます。撹拌機を使うのはコンクリート内部の気泡をできるだけ抜いて、密な基礎を作るためです。
コンクリートの打設が完了しました。乾くまで数日置きます。
底面のコンクリートが乾いたので、次に立ち上がり部分の型枠を組んでいきます。
立ち上がりの型枠を組んでいるところです。型枠を組み終えたら、その中にコンクリートを打っていきます。コンクリートが乾いて、型枠をバラしたら、基礎完成となります。
そうしてできあがったO様邸の基礎。基礎の外周部の白いボードはパフォームガードです。このように断熱材で基礎の下側と外側を覆うのが基礎断熱の特徴です。
もう一枚、できたてホヤホヤのO様邸の基礎の写真。断熱材と基礎のコンクリートが一体化しているのがわかりますでしょうか。
その後、パフォームガードを保護するために、上端部に板金を施工し、側面にベースコートという保護塗料を塗ります。これで基礎工事、完了です!
基礎ができあがると、すぐに上棟の準備が始まります。現場には構造材が続々と搬入され、同時に足場も組んでいきます。
基礎の上に土台を組んでいきます。
そして上棟が始まります。
上棟が進みます。
屋根組みまで終わると上棟完了です!夏は日が長いので工事がはかどります。(職人さんは暑くて大変ですが。。。)
上棟を終えたO様邸でなにやら雑談する小野寺工務店のスタッフたち。今後のスケジュールでも話し合っているのでしょうか。
(続く)