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月刊小野寺工務店【Monthly Onodera】

小平市のH様邸が完成しました!と次世代型セルロースファイバー断熱の施工レポートの巻/2021年5月号

Date:2021年5月31日 |

今回の月刊小野寺工務店は、小平市H様邸の完成写真と、世田谷区M様邸の断熱工事の様子を中心にお届けします。また梅雨時に大活躍する室内物干しについてもレポートしています。

目次
1.小平市・H様邸(国産木製トリプルサッシと天然リノリウムの床の家)
2.世田谷区・M様邸(住宅密集地に建つ坪庭のある家)
3.調布市・MK様邸(吹き抜けのある注文住宅)
4.調布市・MM様邸(プラン作成中です)
5.おすすめアイテム紹介のコーナー(6)/室内物干し

 

◎小平市・H様邸(国産木製トリプルサッシと天然リノリウムの床の家)

では、早速完成したH様邸の紹介を始めたいと思います。

まずはH様邸の外観写真です。外壁にはホワイトのガルバリウム鋼板を使用しています。大きく張り出した庇(ひさし)と大きな窓が特徴的な外観です。


 

玄関には木製の断熱玄関ドア「スウェーデンドア」を採用しています。ホワイトのガルバリウム鋼板は一般的な縦葺きではなく、横葺きにしています。


 

それでは家の中を見ていきましょう。まずは玄関です。H様邸は玄関とリビングの仕切りがない開放的な間取りになっています。緑色のシューズボックスは、小野寺工務店による造作です。このシューズボックスの緑色は、H様からDICカラーガイド(色見本帳)で色の指定をいただき、複数の色のペンキを現場で調合して仕上げています。


 

天然のリノリウムを敷きつめた1階リビングの写真です。H様邸の床は、ほぼ全面をリノリウムで仕上げています。リノリウムは、亜麻仁油や木粉、ロジン(松脂)を主成分とする天然素材で、H様邸ではフォルボ社の「マーモリウム」という製品を採用しています。左奥がキッチン、階段をあがると主寝室と子供部屋という間取りになっています。


 

キッチン側から見たリビングです。左側の朱色の扉は、床置きエアコンの収納ボックス兼大型収納庫になっています。こちらの朱色も、H様ご指定のカラーガイドの色を忠実に再現しています。2脚並んだ椅子は、マルニ木工さんのオーダー家具です。


 

カラフルな色合いの階段下スペース。赤色のボックスは、H様のご主人がご自分で製作されたテーブルです。


 

続いてキッチンの紹介です。H様邸のキッチンと背面カウンターは、当社提携の家具屋さんによるオーダーメイドキッチンです。表面の木目が特徴的なインテリアラーチという合板を使って製作しています。インテリアラーチは構造用の合板で、そのままだと表面がざらざらしているので、念入りにクリア塗装を施して仕上げています。


 

キッチン天板はシンク一体型のステンレス製。中央の白いボックスはミーレの食洗器です。キッチン正面のブルーグリーンの棚も造作しています。


 

この写真は玄関横の手洗いスペース。ホワイトを基調にした清潔感のある空間です。


 

手洗いスペースのさらに奥には、スロップシンクとガス乾燥機の「乾太くん」を設置した洗面室。こちらの床も天然リノリウムを施工しています。


 

それでは2階へ上がっていきましょう。クラシカルな印象の階段は、H様から「こういう雰囲気にしたい!」と見せていただいた海外の建築雑誌の写真を参考に設計したものです。


 

2階の階段ホールです。左側の大きな窓は「スマートウィン」という超高断熱仕様の国産木製トリプルサッシです。スマートウィンの驚くべき性能については、月刊小野寺工務店12月号で詳しく説明しているので、興味のある方はぜひそちらの記事もご覧ください。


 

南面の大きな窓から光が入る明るい空間です。H様邸の白い壁は、この階段ホールに限らず、リビングも、この後紹介する主寝室も子ども部屋もすべて、H様のご要望により、ラワン合板の上から直接ペンキを塗って仕上げています。写真ではその質感がなかなか伝わらないと思いますが、素朴で、飾り気のない、どこか懐かしいかんじの雰囲気に仕上がっています。


 

もう一枚、違う角度から撮った2階階段ホールの写真です。階段上の照明は「ハーマンミラー社」のバブルランプです。ハーマンミラー社のバブルランプは、1階リビングにも取り付けています。


 

こちらは2階の主寝室です。2階の床も天然リノリウムで施工しています。窓はすべてスマートウィンです。



 

駆け足で紹介してきましたが、H様邸の完成写真はいかがだったでしょうか。「施工事例集」ではこちらで紹介した写真以外にもたくさんの写真を掲載しています。ぜひそちらもご覧ください。

 

 

◎世田谷区・M様邸(住宅密集地に建つ坪庭のある家)

先月、上棟の様子を紹介したM様邸。今月はアップルゲートのセルロースファイバーを使用した断熱工事の様子をレポートしていきます。

アップルゲートのセルロースファイバーは、「時間が経つと沈下する」という従来のセルロースファイバーの持つ大きな欠点を改善した、次世代のセルロースファイバーです。詳しくは、月刊小野寺工務店2021年2月号のおすすめアイテム紹介コーナーで詳しく解説していますので、ぜひそちらもご覧ください。

それでは、工事レポートを始めます。下の写真は、さあこれから断熱工事を始めるぞー、という工事前のミーティングの写真です。真ん中の赤い機械は、アップルゲートのセルロースファイバーを施工する際に、なくてはならない専用の機材です。


 

下の写真がアップルゲートのセルロースファイバーです。印刷工場で廃棄される新聞紙を細かく砕いた断熱材です。新聞紙の材料はパルプで、パルプは木材チップから取り出した繊維質のかたまりなので、セルロースファイバーは正真正銘の天然素材ということになります。

アップルゲートのセルロースファイバーには、あらかじめとうもろこしのデンプンから作った少量の糊が添加されています。この糊付きのセルロースファイバーに少量の水分を含ませて、ほんの少し湿った状態で躯体に吹き付けていく(ウォータースプレー工法といいます)ことで、時間が経つと沈下するという従来のセルロースファイバーの欠点を解消しているのです。


 

先ほどの赤い機械の中に、糊付きのセルロースファイバーをほぐしながら入れていきます。


 

吹き付けが始まりました。緑色の細い管が給水用のホースです。吹き付ける直前に、水分を噴霧して湿らせる仕組みです。わずかに湿らせているだけなので、壁の中に付着するのと同じぐらいの量のセルロースファイバーが、床に落ち、積っていきます。この付着しなかった分は、ちゃんと集めて再利用します。


 

壁の厚みからはみ出した部分を専用の電動ローラーで削ぎ落としていきます。


 

充填しては・・・


 

削ぎ落す。充填と削ぎ落としを繰り返し、断熱工事は順調に進んでいきます。


 

削ぎ落したセルロースファイバーは、ちゃんと回収して再利用します。


 

笑顔の断熱工事の職人さん。


 

壁内への充填作業が終わると、次は天井です。天井の場合は、専用のシートを貼り、そのシートに穴を開けセルロースファイバーを吹き込んでいきます。


 

天井への充填が終わりました。この後、シートに開けた穴を専用のシールで塞げば、断熱工事完了となります。


 

断熱工事が完了しました!



 

断熱工事終了後、気密測定も行いました。


 

 

◎調布市・MK様邸(吹き抜けのある注文住宅)

先月、地盤補強工事が無事に終わったMK様邸。今月は基礎工事から上棟までの様子をレポートしたいと思います。

下の写真の白い板状のものは、パフォームガードという基礎用断熱材です。基礎の下に断熱材をあらかじめ敷き詰め、建物の基礎全体を断熱材で包み込むのが、小野寺工務店の基礎の特徴です。


 

パフォームガードの内側に基礎の配筋ができあがりました。これからコンクリートの打設を行っていきます。


 

コンクリートを流し込む職人さん。まずは底面から。底面のコンクリートがしっかり乾いたら、立ち上がり部分を作っていきます。


 

立ち上がり部分の打設が進んでいます。型枠の中の白いボードは断熱材のパフォームガードです。型枠の中にあらかじめ入れることで、継ぎ目のない基礎断熱層ができあがります。


 

基礎ができあがると、その上に土台を組んでいきます。下の写真は、土台となる木材に防蟻剤(ボラケア)を塗っているところです。防蟻剤は上棟してから本格的に塗布するのですが、基礎に接する面(土台の下側)と、土台と土台が組み合わさる部分は、上棟してからでは塗れないのであらかじめ塗っておきます。(防蟻剤のメーカーさんは、上棟してから塗れる範囲だけ塗れば大丈夫というのですが、ねんのため塗るようにしています)


 

基礎の上に土台が乗り、足場の組み立ても終わり、いよいよ上棟です。今回もクレーンなどの重機を使わず、職人さんが構造材を一本ずつあげていく「手起こし上棟」です。


 

上棟の様子1。2階の床が出来上がりました。


 

上棟の様子2。2階の桁(けた)と梁(はり)が完成!


 

上棟の様子3。垂木(たるき)、棟木(むなぎ)、小屋束(こやづか)といった屋根の構造まで組みあがり、上棟無事完了!となりました。大工、職人のみなさま、本当におつかれさまでした!


 

 

◎調布市・MM様邸(プラン作成中です)

MM様邸の工事レポートは、来月から始めます。もうしばらくお待ちください。

 

 

おすすめアイテム紹介のコーナー(6)/「室内物干し」

これから始まる梅雨シーズンに大活躍する住宅設備と言えば「室内物干し」。「ホスクリーン」や「ホシ姫サマ」など、いろいろな商品がありますが、今回は室内干しを選ぶ際のポイントについて、少し書いてみたいと思います。また小野寺工務店では、室内物干しを造作させていただくこともありますので、そちらについても少しご紹介させていただきます。

・室内物干し(1)・スポット型
スポット型の室内物干しといえば、川口技研のホスクリーンが有名です。下の写真のように、天井に専用パーツを取り付け、そこにポールを差し込んで使用します。ポールは簡単に付けたり外したりすることができます。


 

スポット型の短所は、収納がなかなか面倒なこと。ポールとは別に物干し竿の付け外しも必要なので、結果的に出しっぱなしで使用しているご家庭が多いと思います。ですので、スポット型を取り付ける際は、サンルームなど出しっぱなしでも問題のない場所への設置が基本となります。また、物干し竿をドアや家具、あるいは家事導線と干渉しない位置に掛けられるかどうかをしっかり考えておく必要があります。

 

・室内物干し(2)天井収納型
天井収納型の室内物干しといえば、パナソニックの「ホシ姫サマ」が有名ですが、川口技研のホスクリーンにも天井収納型はラインナップされています。


 

普段は天井に収納しておき、使うときだけ引き出すことができるので、なかなか便利です。物干しの高さを調整することができるので、低い位置に物干しをおろして洗濯物を干し、干し終わったら上げるということも可能です。身体への負担が少ない室内物干しといえるでしょう。

短所は、価格が高めな点と、天井に埋め込むため、梁や構造材などの関係で設置できない場所があることです。

 

・室内物干し(3)・ワイヤー式
リゾートホテルの浴室にあるような、ワイヤーを伸ばして洗濯物を干すワイヤー式の室内物干しを採用する方も最近増えてきました(といってもまだまだ少数派です)。ワイヤーを引き出して、対面のフックに引っ掛けて使用します。ポールや物干し竿が要らないので、お部屋の中でも邪魔にならずコスト面でも安心の室内物干しです。


 

ワイヤーを不意に離してしまってもゆっくり巻き戻ったり、ワイヤーを勝手に引き出すことができないようにロックできたりする商品もあるので、小さなお子様がいる家庭でも安心して使用できます。ただし、洗濯物を多くかけてしまうとどうしてもたわみが出てしまい、洗濯物が中央に寄って乾きにくくなってしまうという欠点もあります。洗濯物の量がそれほど多くないご家庭向きだと思います。

 

・室内物干し(4)・造作ハンガーパイプ型
最後に造作するタイプの室内物干しも紹介しておきます。室内物干しは収納できるのが魅力ですが、洗濯は毎日の家事なので、収納せず出したまま使用している方も少なくないと思います。
そういった使い方をされる場合は、ハンガーパイプ型の室内物干しを造作する方法があります。造作なので、デザインや形状、高さ、長さ、色などを、お客様の好みにあわせて造ることができます。既製品の室内物干しは、生活感が出てちょっと嫌かも・・・という方はぜひ検討してみてください。

当社施工例


 

(続く)

 

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