2階リビングの注文住宅、完成写真大公開!と念入りに防蟻処理を行う職人さんの巻/2020年9月号
稲城市のM様邸が無事に完成いたしました。今回の月刊小野寺工務店はM様邸の完成写真を中心にお届けしたいと思います。
最初に目次です。
1.稲城市・M様邸(2階リビングの注文住宅)
2.三鷹市・O様邸(印象的な外観の二世帯住宅)
3.調布市・I様邸(変形敷地に建つ五角形の家)
◎稲城市・M様邸(2階リビングの注文住宅)
では早速、M様邸の完成写真を紹介していきたいと思います。
まずはM様邸の外観写真です。外壁材にはモスグリーンのガルバリウム鋼板を使用しています。玄関のある一角だけ、オフホワイトの吹き付け仕上げにしています。外壁の一部分の素材と色を変えると、メリハリが付くというか、建物の立体感が少し強調されます。
もう少し左側から撮影した写真です。こちらの方がモスグリーンの色味がよくわかると思います。
続いてM様邸のエントランスです。モルタルで仕上げた土間に、平田タイルの「ピエドラ」を一部施しています。玄関ドアはYKK APの「ヴェナート」です。
M様邸の玄関ホールです。右側に土間収納とシューズクロークを配置しています。紺色の扉の向こうは、主寝室、子供部屋、浴室に続く廊下になっています。存在感のある105ミリ角の柱は、構造用の柱ではなく、建築家のアイデアで、手すりがわりに設置したものです。頑丈で頼りになる手すりです。エントランスと同様に土間にも一部「ピエドラ」を施工して、アクセントにしています。
階段を上がり、2階リビングへ。階段の手すりは大工が造作したものです。ガッツリ掴める安心感のある手すりです。
こちらがM様邸の2階リビングです。勾配天井にして、壁の一番高いところに高窓を設けています。すぐ横に隣家の建物が迫っているのですが、この高窓からは隣家の屋根越しに明るい日差しが入ります。
M様邸のリビングはL字型になっています。南側に設けた4連のすべり出し窓がデザイン上のアクセントになっています。床には無垢のバーチ材を使っています。
L字の奥からキッチン方向を撮影した写真です。キッチン右側の引き違いの扉の中はパントリーになっています。
もう一枚。リビングからキッチンを撮った写真です。方角的には南から北を向いて撮っています。右奥がキッチン、左側のL字に壁をくりぬいたような空間が書斎で、その奥に1階に下りる階段があります。
L字に壁が空いている空間が3帖の書斎です。床を少し上げ、壁で空間を仕切ることで、隠し部屋のようなスペースになっています。
書斎の中はこんな具合です。これからの住宅は、テレワーク用にこういったスペースが必須になるのかもしれません。この部屋の床材にはアカシアの無垢材を使っています。
リビングとの仕切りの壁がL字になっているので、閉塞感がありません。子供の勉強部屋としても最適です。
M様邸のキッチンです。北側と東側から日が入る明るいキッチンです。
では階段を下りて1階を紹介していきます。まずは1階南側の子供部屋です。将来的に2つに間仕切りできるように入口を2つ付けています。
続いて1階東側の主寝室です。1階の床はすべてアカシアの無垢材を採用しています。
最後に、家事室兼洗面室です。写真の右に見えるのはガス衣類乾燥機の「乾太くん」です。強力に乾きます。
駆け足でM様邸の完成写真を紹介してきましたが、「施工事例集」ではこちらで紹介した写真以外にもたくさんの写真を掲載しています。ぜひそちらもご覧ください。
◎三鷹市・O様邸(印象的な外観の二世帯住宅)
O様邸では外断熱用のEPSボードの施工が始まりました。EPSボードは南極の昭和基地にも使用されている高性能な外張り断熱材です。
下の写真の白いボードがEPSボードです。右側のEPSボードが緩くカーブしていますが、これはO様邸の外壁が一部円柱形なので、それに合わせて円く加工しているのです。
下の写真のように専用の強力な接着剤で、防水処理を行った壁の上からEPSボードをすき間なく貼り付けていきます。
湾曲した壁にもEPSボードを貼っていきます。事前にO様邸の外壁のR(カーブ曲線)を計算し、同じRのEPSボードを発注しているので、作業もスムーズです。
社長と左官職人さんがなにやら話しています。真ん中の絵を描く時のイーゼルみたいな形状の道具はEPSボードをカットするための専用の機械です。EPSボードはカッターで切ることもできるのですが、この機械は電熱線で切るので、キレイかつ素早くカットできます。
その後ろでは別の職人さんが、外壁用のウエスタンレッドシダーに赤色のエコウッドトリートメントという塗料を塗っています。O様邸の外壁は左官壁がメインで、一部アクセントにウエスタンレッドシダーを使います。
塗装したウエスタンレッドシダーをしばらく乾かし…
こんな具合に壁に貼り付けていきます。でき上がりが楽しみです。
家の中の工事も順調に進んでいます。下の写真は、打ち合わせ中に「カマクラ」と名付けた小さな隠れ家スペース。雪でつくるカマクラのようにやさしく包み込まれる空間を目指しています。
こちらは2階の階段ホールに設けた2つの丸窓。上の大きい丸窓がヒト用で、下の小さな丸窓がワンちゃん用です!
こちらは1階リビングのフローリングにはめ込む「モザイクパーケット」です。さまざまなアイデアと仕掛けいっぱいのO様邸。完成まであと少しです。
◎調布市・I様邸(変形敷地に建つ五角形の家)
順調に工事が進む五角形のI様邸。今回は基礎工事から上棟までの様子を紹介したいと思います。
下の写真は基礎の配筋が組み終わり、日本住宅保証検査機構(JIO)による配筋検査を受けている様子です。配筋の下と側面に見える白いボードはパフォームガードという基礎(下)断熱用の断熱材です。
このブログでも、おそらく10回ぐらいは書いていますが、小野寺工務店は一般的な床下断熱ではなく、基礎をすっぽり断熱材で包み込む基礎(下)断熱を採用しています。
配筋検査に合格すると、コンクリートの打設が始まります。まずは底面。
日をあらため、立ち上がり部分。
数日後、型枠を外し、基礎が姿を現しました。
最後に、パフォームガードの上からベースコートという保護材を塗って、基礎の完成となります。(最終的に基礎の側面にはモルタルを塗って仕上げますが、その工程はしばらく後、外壁工事が終わるタイミングになります)
基礎ができあがるとその上に土台を作っていくのですが、その前に土台用の構造材に防蟻処理を行います。小野寺工務店ではボラケアというホウ酸系の防蟻剤を使用しています。
建築に詳しい方は、「あれ?防蟻処理はもう少し後に行うのでは?」と疑問に思われるかもしれません。その疑問は間違っていなくて、メインの防蟻処理は上棟後に行うのですが、上棟して構造材が組み合わさった後では防蟻剤を塗れない場所、具体的には構造材同士の接合面や、基礎と構造材の接合面に、ねんのため防蟻処理を行っておくのです。
下の写真は、構造材同士の接合面にボラケアを塗る職人さん。
続いて、基礎と接する面にボラケアを塗る職人さん。ちなみに防蟻剤のメーカー数社に、この一連の工程(防蟻の下処理とでもいうのでしょうか?)が必要かどうか確認したことがあるのですが、基本的にしなくても大丈夫だそうです。とはいえ、シロアリ被害を最大限に避けるため、小野寺工務店ではひと手間加えるようにしています。
土台の設置が終わりました。
そして、上棟完了!
もう一枚、上棟完了の写真。I様邸の家づくりは始まったばかりです。
(2020年10月号に続く)