もしかして日本初かも?L字型バルコニーと書庫でつながる完全分離型二世帯住宅の巻/2019年11月号
新しく杉並区で建て替えの家づくりが始まりました。最近なぜか杉並づいている小野寺工務店です。
最初に目次です。
1.三鷹市・M様邸(家全体の空間がゆるやかにつながるアウトドアリビングのある注文住宅)
2.杉並区・F様邸(土間と隠れ家スペースのある注文住宅)
3.稲城市・T様邸(大きな吹き抜けと回廊のある注文住宅)
4.杉並区・K様邸(中庭のある注文住宅)
5.杉並区・S様邸(バルコニーと書庫でつながる完全分離型の二世帯住宅)
◎三鷹市・M様邸(家全体の空間がゆるやかにつながるアウトドアリビングのある注文住宅)
M様邸では家の外も家の中も順調に工事が進んでいます。
下の写真は建物の外側にEPSボードを施工している様子です。EPSボードは南極の昭和基地でも使われている外断熱用の断熱材です。M様邸では、内側にモコフォーム、外側にEPSボードという内外二重断熱を採用しています。
ウェザーシールで防水処理を施した壁に、下から順にEPSボードを貼り付けていきます。
EPSボードに樹脂接着剤を塗る左官屋さんです。通気用の縦溝を作りながらの作業です。
下から上にEPSボードを貼り付けていきます。
家全体がEPSボードですっぽり覆われました。
家の中では大工さんがリビング中央のスケルトン階段を造作しています。
リビング中央のスケルトン階段はM様邸の見せどころひとつ。細部まで丁寧に仕上げていきます。
そうして出来上がった階段がこちらです。キッチンから見た階段
玄関の側から見た階段
2階ホールから見下ろした階段(ちょっとしつこいですね)
ちなみに階段スペースは、ロフト階から1階まで吹き抜けになっています。家の中心部に光の通り道があるため、明るさ満点の暮らしが実現するはずです。下の写真の左側に写っているのは2階からロフトに上がる階段です。手すりはこれから作ります。
洗面室の大工工事も進んでいます。このL字型の木枠は大型ミラーの下地材です。壁に直接ミラーを取り付ける方が楽なのですが、ミラーの背面に間接照明を取り付けるために、下地材を入れて壁面から少しふかします。
※「ふかす」というのは「前面に出す」という意味の建築用語です。漢字では「付加す」と書きます。
もう少し工事が進むとこうなります。大きなミラーの下地と鏡の横のニッチができあがりつつあります。
下の写真は、クロス工事の職人さんへの注意書きです。最近はたくさんの種類の壁紙を部屋ごとや壁ごとに貼る分けることが増えてきました。クロス職人さんがうっかり貼り間違えないように、壁紙の型番とつなぎ目の仕上げ方について、こういったメモを貼るようにしています。
メモではないですが、下の写真も施工上の注意書きです。防水処理を施した、施工途中のバルコニーの壁に「ここに下地が入ってますよー」という意味の斜線が書かれています。
工事のこの段階では、物干し金物をどこに付けるか決まっていないので、下地材を大きめに入れておきます。防水処理をすると下地材がどこにあるかわからなくなるので、こうやって書いておくのです。間違いのない家づくりのための小さな工夫です。
◎杉並区・F様邸(土間と隠れ家スペースのある注文住宅)
前回屋根工事の様子をレポートしたF様邸。ただいま大工工事が急ピッチかつ丁寧に進行中です。
これはF様邸の2階です。緑色のスポンジみたいなものは、化粧柱を工事中の傷から守る養生材です。左の方に写っている金属製の筋交いはコボットブレースというオールステンレス製の筋交いです。F様邸を設計した建築家の提案で、この筋交いはそのまま意匠使い(壁の中に隠さないでそのまま見せること)にします。
電気工事も進んでいます。分電盤を設置する場所を撮影しました。家中の配線がここに集まっています。
キッチンを設置するところです。お湯と水の給水、排水、食洗器用の給排水のパイプが並びます。
数日後、断熱材「モコフォーム」の施工も完了しました。
◎稲城市・T様邸(大きな吹き抜けと回廊のある注文住宅)
続いてT様邸。こちらも順調に工事が進んでいます。
下の写真は少し前になりますが、台風19号に備えて、ブルーシートで包んだT様邸です。
しばらくブルーシートで包んだままだったので、T様邸の建築現場は海の中のような、なんとも幻想的な空間で、竜宮城建築中!といった雰囲気でした。
竜宮城にいるのは乙姫様か浦島太郎ですが、ここは建築中のT様邸なので、職人さんがコツコツ配管工事をしていたりします。
家の真ん中に大きな四角い吹き抜けがあるのがT様邸の特徴です。もうすぐ断熱工事が始まります。
◎杉並区・K様邸(中庭のある注文住宅)
前回地鎮祭の様子をレポートした杉並区のK様邸。いよいよ基礎工事が始まりました。
下の写真の敷地を囲むような木枠のことを「遣り方」と言います。この遣り方が、これから作る建物(基礎)の高さの基準になります。小型のショベルカーが「根切り」を始めています。根切りとは基礎を作るために土地を掘り下げることを言います。
根切りが終わると、砕石を入れて、その上から転圧していきます。これらはすべて基礎工事のための基礎工事といったところです。
次に地面からの湿気を防ぐための防湿シートを敷いていきます。
防湿シートを抑えるように捨てコン(捨てコンクリート)を流していきます。これでようやく基礎工事の準備段階が終わりました。
◎杉並区・S様邸(バルコニーと書庫でつながる完全分離型の二世帯住宅)
新しく杉並区で建て替えの家づくりが始まりました。玄関、キッチン、お風呂などすべてが2つずつある完全分離型の二世帯住宅ですが、2階のバルコニーと書庫を共有するという、もしかして日本で初めてかもしれない、ワクワクするプランです。外観にも面白いアイデアが採用されてますが、そのあたりはおいおい紹介していきたいと思います。
はやる気持ちを抑えて、まずは地鎮祭の様子です。小野寺工務店の会長が四方払いを行っています。
S様邸の敷地には井戸があり、井戸水をお風呂などの生活用水に利用する計画です。下の写真は、井戸水の水量と水質の検査を行っている水道屋さんです。水量はその場でわかりますが、水質は容器に入れた井戸水を保健所に送って、調べてもらうので少し時間がかかります。
(2019年12月号に続く)