東京・調布の注文住宅は小野寺工務店

おかげさまで創業60周年

フリーダイヤル0120-405-233(月-土/9:00〜18:00)

月刊小野寺工務店【Monthly Onodera】

丸い屋根の大型車庫工事と基礎下断熱の詳細レポートと戸建てリノベーションのお話/2019年5月号

Date:2019年5月31日 |

先日、ちょっと風変わりなカタチの車庫を作らせていただきました。
今回はその車庫工事と3邸の新築工事と戸建てリノベーションの工事レポートをお届けします!

最初に目次です。
1.調布市・I様邸(丸屋根の大型車庫建築)
2.調布市・T様邸(薪ストーブと地下室と巨大木製サッシのある家)
3.調布市・A様邸(チタンメタリックのガルバリウムの外観がカッコいい家)
4.三鷹市・M様邸(家中の空間がゆるやかにつながるアウトドアリビングのある注文住宅)
5.調布市・H様邸(戸建てリノベーション)

 

◎調布市・I様邸(丸屋根の大型車庫建築)

I様からご依頼いただいたのは、キャンピングカーがすっぽり入る高さ3.5メートルの大型車庫。しかも丸い屋根にしたいとのこと。丸屋根をどう作るか、ヒントは飛行機の翼にありました。

では早速工事を振り返ってみたいと思います。下の写真は車庫を作るために既存の門扉や舗装を撤去しているところです。


 

続いて基礎工事の様子。車庫と言っても高さが3.5メートルにもなると基礎も本格的です。


 

基礎を作っている間に、材木屋さんの敷地をお借りして、丸屋根を作るための部材を加工しておきます。


 

丸屋根の材料が半分ほど出来上がりました。この細長い半円形の板が丸屋根の構造材となるのです。


 

上の写真から約2週間後。上棟作業が始まりました。車庫とは思えない、本格的な上棟です。


 

上棟が進みます。周囲の建物と見比べると、今回の車庫の大きさがイメージできると思います。


 

いよいよ丸屋根の組み立てが始まりました。あらかじめ作っておいた半円形の板を並べて、丸屋根の骨組みにします。


 

次に曲線にそって下地材を貼っていきます。木材はしなやかなので、これぐらいのR(曲率半径)ならまったく問題ありません。


 

半円形の板を使って、ゆるやかな曲線を造形するのは、飛行機の翼の構造と同じやり方です。(下の写真は日本航空協会のHPから拝借してきました)


 

下地材を貼り終え、防水シートを貼り終え、丸屋根が姿を現しました。


 

車庫の中はこんな感じです。I様のご希望で断熱材もしっかり入れています。


 

工事開始から1ヵ月半。ようやくできあがった丸屋根の車庫。大きく口を開けたピクサーの映画に出てくるキャラクターのようなかわいい外観になりました。


 

上から見た丸屋根です。青いガルバリウム鋼板がカッコいいですね!


 

 

◎調布市・T様邸(薪ストーブと地下室と巨大木製サッシのある家)

前回、上棟と巨大木製サッシの設置の様子をレポートしたT様邸。工事は順調に進んでいます。

まずは屋根の上で慎重に薪ストーブの煙突カバーを設置している薪ストーブ屋さんの写真。


 

カバーの中には煙突があります。煙突の根元に見える黄色いマットみたいなものは、断熱材のロックウールです。ロックウールはその名の通り、岩を繊維状にした断熱材で、他の断熱材に比べて熱に強い特徴があります。T様邸ではこの部分だけロックウールを使っています。


 

家の中からみた煙突です。薪ストーブの設置は一番最後なので、まずは煙突だけ先に作っておきます。建物の中は断熱工事が完了していて、断熱材のモコフォームがびっしりすき間なく充填されています。(煙突の周囲だけロックウールです)


 

断熱材の写真をもう1枚。2階リビングの壁部分です。


 

さらにもう一枚。これは2階のキッチンスペースです。2つ突き出ている灰色のダクトは、換気扇用のダクトです。1つは排気用で、もう一つは吸気用です。


 

小野寺工務店の家は気密性が非常に高いので、排気用のダクトだけだと、家の中の気圧が低くなり、窓のサッシがミシミシ鳴ったり、玄関ドアが重たくなったりします。家の中の気圧を一定に保つため、排気用と吸気用のダクトが1つずつ必要なのです。これは高気密住宅あるあるの1つです。

断熱工事が終わると、大工工事が本格的に始まります。下の写真は断熱工事完了の数日後の写真です。天井にはすでに下地材が貼られています。フローリングに使う無垢のパイン材(ロッジポールパイン)も搬入されています。


 

 

◎調布市・A様邸(チタンメタリックのガルバリウムの外観がカッコいい家)

A様邸では基礎工事が完了しました。では早速その様子をレポートしていきたいと思います。

まずは当社の下小屋(作業小屋)の写真から。基礎下断熱に使うパフォームガードという断熱材を裁断しています。


 

ほとんどの木造住宅は床下断熱といって、床のすぐ下(すなわち基礎の上部)に断熱層を作るのですが、小野寺工務店では基礎下断熱(基礎断熱ともいいます)という基礎全体をすっぽり断熱材で覆う方法を採用しています。この場合、断熱層は床下ではなく、基礎の下になります。

◎一般的な床下断熱の階層イメージ
[床]
[断熱層]
[床下空間]
[ベタ基礎]
[地面]

◎小野寺工務店が採用する基礎下(基礎)断熱の階層イメージ
[床]
[床下空間]
[ベタ基礎]
[断熱層]
[地面]

床下断熱の場合、冬の冷たい空気が床下に入り込み、ベタ基礎のコンクリート全体を冷やし、さらにその冷たさをコンクリートが蓄熱してしまうので、どんなに丁寧に断熱処理をしても、底冷えのする家になってしまいます。基礎下断熱の場合、基礎のコンクリートが外気の影響を受けないので、底冷えのない暮らしが実現します。(基礎下断熱のメリットは他にもあるのですが、長くなるので別の機会にご紹介したいと思います)

工事レポートに戻ります。パフォームガードの裁断が終わると丁寧に梱包して。。。


 

軽トラックに載せて現場に搬入します。


 

現場では、基礎の形状にあわせて、パフォームガードを敷き詰めていきます。基礎をつくる前の地面は多少の凹凸があるので、砂を敷き詰めて水平を取りつつ敷いていきます。


 

反対からもパチリ。


 

敷き終わりました。


 

パフォームガードを敷き終えると、その上から配筋を組んでいきます。


 

組み上がりました!


 

配筋が終わったら、コンクリートの打設です。あっ、その前に配筋検査を受ける必要がありますね。

というわけで、配筋検査の写真です。第三者機関の検査員の厳しいチェックを受けているところです。(無事合格しました)


 

配筋検査に合格すると、いよいよ打設です。生コンを流しては均(なら)し、流しては均し、丁寧に基礎(の底面)を作っていきます。


 

数日後、底面のコンクリートが乾いたら、立ち上がり部分の配筋を組んで、その後型枠を設置します。下の写真は、立ち上がり部分の配筋を組んでいる職人さんです。


 

そして立ち上がり部分の打設。


 

型枠の隅々にまでしっかりコンクリートが行き渡るように攪拌(かくはん)しながら流し込んでいきます。


 

立ち上がり部分の打設が完了しました。基礎から突き出ている金具はアンカーボルトとホールダウン金物です。この金具で基礎と建物の土台をガッチリ緊結するのです。基礎のコンクリートと白い断熱材が型枠の中でしっかり合体しているのがわかると思います。


 

もう一枚。白い断熱材が基礎の外側をぐるりと囲んでいます。


 

この状態でしばらく放置。


 

数日後、型枠を外して、A様邸の基礎完成です!パチパチパチ!


 

次回は上棟の様子をレポートします!こうご期待!

 

 

◎三鷹市・M様邸(家中の空間がゆるやかにつながるアウトドアリビングのある注文住宅)

新しくM様邸の家づくりが始まりました。アウトドアリビングとして使える大きなウッドデッキと、ぐるりと回遊できる導線が1階にも2階にもあるのが特徴のお家です。

まずは打ち合わせ中の写真から。写真の上の方に見えているのはM様ご夫妻の手です。図面と建物の模型をじっくり見ながら打ち合わせは進みます。


 

続いて、M様邸の敷地の写真。この駐車場をつぶして、家を建てます。


 

もう一枚、別角度から撮ったM様邸の敷地です。敷地を囲っているブロック塀は、半分ぐらいは撤去して、残りの半分はそのまま再利用します。


 

解体屋さんが間違って壊しすぎないように、このように指示出しをしておきます。


 

ねんのため、〇×でよりわかりやすく。ここまですると間違うこともないでしょう。


 

 

◎調布市・H様邸(戸建てリノベーション)

H様邸の戸建てリノベーション工事が始まりました。隣接する土地を購入して、その分、家を大きくして、キッチン、トイレなどの住宅設備を入れ替え、階段の位置を変え、床暖房を入れ、というかなり大規模な増改築工事です。

ちなみにH様のご主人は住宅関係のお仕事をされていたので、新しい間取りのイメージはすでにできあがっていました。同業種の方にご依頼いただくのはうれしくもあり、同時に緊張もします。

まずは基礎の拡張工事から。既存の基礎から45センチ外側に新しい基礎を作ります。


 

基礎を作っている間に、新しい基礎の上に立てる土台と柱を加工しておきます。下の写真はカクノミという道具を使ってほぞ穴を開けている大工です。

ほぞ穴というのは、構造材を組み合わせて接合するときの凹凸の凹の方です。凹が「ほぞ穴」で、凸が「ほぞ」です。従来、ほぞとほぞ穴を加工するのは大工の仕事でしたが、最近はプレカットといって、あらかじめ製材工場で、機械加工するケースがほとんどです。

今回のような増改築で古い建物の構造材と微妙な位置合わせを行う場合は、現場加工になります。ひさしぶりの作業に嬉々とするベテラン大工です。


 

基礎ができあがり、土台と柱が組み上がりました。ほぞとほぞ穴もぴったり合わさっています。これから内側の壁を撤去していきます。


 

(2019年6月号に続く)

 

アーカイブス

このページのトップへ