友人関係にあるドイツ人女性建築家、彦根アンドレアさんの構造現場見学会。
日野市の某幼稚園建て替え工事。新築物件と建て替え中に園児達が通う仮園舎の両方を見学させていただきました。
新園舎は木の集成材で屋根の下地まで出来ている状況で、木構造が全て見える状態でした。
建物の形状を簡単に文字で書くと、上空から見おろすと想像して、屋根は少し幅の広い約4分の1ドーナツ状。
ドーナツの半径は30メートルほど。その中心から70本以上の大断面の集成梁が均等に配置され、ドーナツの外の縁と内の縁を結んでいる。
その梁を支えている柱状の断面が外の縁と内の縁に数多く立ち、ドーナツの中間には節のような間仕切りが存在している。
4分の1の最後は逆に反って少しS字状になっている。
やっぱり分かりづらいですね。
デザイン的には素晴らしく美しいですが、施工はかなり難易度は高いです。
その理由の一つとしては、全ての柱体を柱脚金物を介して土間基礎から立ち上がるボルトと緊結されており、その数はざっと見ただけで300本以上はある膨大な数。
しかも測り出す基準になる点、ドーナツの中心は山の中にあり、立ち入ることが出来ない。
それを正確に設置し柱の全てを正確に建たせないといけない。一本が1ミリでも狂うとそのしわ寄せが次々へと影響してしまう。
図面では掛けるけど現場はそうはいかない。
近くにいた40前後の好青年を指して、現場の監督の彼は、最近ようやく笑顔が見えてきた。建つ前まで顔は青く不機嫌であったと彼女本人は苦笑いしながら語る。
建築は大変だけど、難しければ難しいほど考え、情報を集め、知恵を絞り、髪の毛真っ白になるくらい試行錯誤するのです。
だからそこ完成した時の喜びはひとしおです。
そんな難しいことにまだまだ挑戦していきたいと思わせてくれた見学会でした。
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